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目のケアについてよくある質問

紫外線について - 専門医がお答えします

医療法人新成会 石田眼科クリニック 副院長

宮瀬 太志

当院は白内障、緑内障、網膜硝子体、眼形成(まぶた・涙道)、屈折矯正(オルソケラトロジー)、小児眼科(斜視・弱視・近視進行抑制)など、各分野の専門医と視能訓練士が連携し、幅広い眼科疾患に対応する眼科専門クリニックです。

真夏は紫外線が強いので日焼け止めがかかせませんが、目にも紫外線は影響がありますか?予防などありましたら教えて下さい。(50歳男性)NEW

夏本番を迎え、強い日差しが気になる季節になりました。肌の日焼け止め対策を徹底している方は多いと思いますが、実は目も皮膚と同様に強い紫外線のダメージにさらされています。
私たちの目は、光を捉えるために常に外の世界に晒されている極めて繊細な器官であり、紫外線の刺激によって目の表面に炎症が起きたり、ダメージが蓄積してさまざまな病気を引き起こしたりする原因になります。

よくある例が、強い紫外線を短時間に浴びることで起こる急性の黒目の炎症です。海水浴やゴルフ、あるいは炎天下での屋外作業のあと、夜間になって急に目がゴロゴロする、充血がひどい、涙が止まらない、といった激しい痛みに襲われることがあります。これは主に「紫外線角膜炎」という状態で、適切な治療により多くは数日で軽快するものの、強い痛みを伴うことがあります。

こうした分かりやすい急性症状だけではなく、長年にわたって浴び続けた紫外線が、目の組織に静かに影響を与え、慢性的な変化を生じさせます。
まず、目の中のレンズが濁る「白内障」です。加齢による影響が大きい病気ですが、それだけではなく、紫外線が目の中のレンズを構成するタンパク質を変性させ、濁りを進行させる大きな要因の一つとされています。
次に「翼状片」です。これは白目の組織が異常に増殖し、黒目に乗り上げてくる病気です。鏡を見て「黒目の端が白くなってきた」と気づくケースが多く、進行すると乱視が強くなり視力低下を招きます。
そして、物を見る中心部が傷む「加齢黄斑変性」です。視力にとって極めて重要な網膜の黄斑部に障害が起きる疾患で、強い紫外線が細胞に酸化ストレスを与えることで、発症や悪化に関与していると考えられています。

これらを防ぐための基本は、やはりサングラスの着用です。ただし、その選び方にはコツがあります。「レンズの色が濃いほど効果がある」と思われがちですが、これは誤りです。UVカット機能のない濃いレンズをかけると、視界が暗くなるため、目は光を取り込もうとして瞳孔を大きく開いてしまいます。そこへ無防備に紫外線が飛び込んでくるため、かえって目の奥に大きなダメージを与える結果となります。必ず「UVカット率99%以上」などの表示を確かめて選ぶ必要があります。あわせて、つばの広い帽子を組み合わせるだけで、隙間から滑り込んでくる光を大幅にカットできます。

一方、太陽の光を完全に悪者として排除すれば良いかというと、そうとも言い切れません。近年の研究では、太陽光に含まれる「バイオレットライト」という、紫外線に限りなく近い紫色の光が、子どもの近視進行を抑えるために極めて重要であることが分かってきたからです。
現代の住宅ガラスや一般的な眼鏡のレンズは、紫外線を防ぐのと同時に、このバイオレットライトまで遮断してしまいます。過剰に光を避け、屋内にばかりこもっていることが、現代の学童期における近視急増の一因となっているという研究結果が報告されています

肝要なのは浴び方のバランスです。大人の目の病気予防や、真夏のあまりに強い直射日光に対してはサングラス等での保護が必要ですが、子どもたちの健やかな目の発育のためには、涼しい時間帯を選んだ「1日2時間程度の外遊び」が推奨されます。直射日光に当たらずとも、木陰や日陰で過ごすだけで、近視予防に必要な光は十分に取り込むことができます。

夏の太陽を過度に恐れる必要はありません。年齢や時間帯に応じて「防ぐ」と「浴びる」を上手に使い分け、健やかに夏を乗り切っていただきたいと思います。少しでも見え方に違和感を覚えた際は、自己判断せず、お気軽に眼科を受診してください。

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