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目のケアについてよくある質問

目の疲れやストレス - 専門医がお答えします

医療法人新成会 石田眼科クリニック 副院長

宮瀬 太志

当院は白内障、緑内障、網膜硝子体、眼形成(まぶた・涙道)、屈折矯正(オルソケラトロジー)、小児眼科(斜視・弱視・近視進行抑制)など、各分野の専門医と視能訓練士が連携し、幅広い眼科疾患に対応する眼科専門クリニックです。

ドライアイについて教えてください。毎日仕事でパソコン作業をしています。市販の目薬を常用していますが、受診したほうが良いでしょうか。 (45歳男性)NEW

ドライアイとは、涙の量や質の異常によって目の表面が乾燥し、さまざまな不快症状や視機能の低下を引き起こす疾患です。単なる「乾き目」と軽く捉えられがちですが、近年では生活習慣やデジタル機器の普及に伴い、年齢を問わず働き盛りの世代にも多くみられます。

主な症状としては、目の乾き、異物感、しみる感じ、充血、まぶしさ、目の疲れなどがあります。さらに特徴的なのは、「見えにくい」「かすむ」といった視力の質の低下です。私たちの目は、涙が黒目の表面である角膜を均一に覆うことで光の屈折が安定し、はっきりと物を見ることができます。しかしドライアイでは涙の状態が不安定なため屈折も乱れ、見え方の質が低下してしまいます。そのため「視力検査では問題ないのに見えにくい」と感じることもあります。

ご質問のように、パソコン作業が多い方は特にドライアイになりやすい傾向があります。画面を見続けるとまばたきの回数が減少し、涙の蒸発が進むためです。さらにエアコンなどによる乾燥した環境やコンタクトレンズの使用も悪化因子となります。加えて、まぶたの縁にある油分を分泌する腺(マイボーム腺)の働きが低下する「マイボーム腺機能不全」も重要な原因の一つです。この油分は涙の蒸発を防ぐ役割があるため、分泌が低下すると涙が蒸発しやすくなり、ドライアイが悪化します。最近ではスマートフォンの長時間使用も影響すると考えられています。

市販の目薬を使用することで一時的に症状が軽快することはありますが、注意すべき点もあります。防腐剤を含む一部の点眼薬を長期間頻回に使用すると、かえって角膜や結膜に負担をかけることがあるためです。またドライアイには、涙の分泌が低下するタイプと蒸発が亢進するタイプがあり、それぞれ治療方法が異なります。そのため、市販薬だけでは十分な改善が得られない場合も少なくありません。場合によっては、甲状腺機能異常や関節リウマチなどの全身疾患が背景に隠れていることもあります。

さらに重要なのは、ドライアイを放置した場合のリスクです。慢性的な乾燥状態が続くと、角膜の表面に細かな傷がついた状態(角膜上皮障害)を生じやすくなり、進行すると表面が繰り返しはがれる状態(角膜びらん)となることがあります。さらに悪化すると、角膜に深い傷ができる状態(角膜潰瘍)となり、治癒後も瘢痕が残ることで視力が元に戻らなくなる可能性もあります。特に、先述のような全身疾患に伴う重症ドライアイでは、このような合併症に注意が必要です。

受診の目安としては、目薬を使用しても症状が改善しない場合、かすみが続く場合、痛みや強い異物感がある場合などが挙げられます。眼科では涙の量や質を評価し、症状に応じた点眼薬の処方に加え、涙の排出口をふさいで涙を保つ「涙点プラグ」などの治療を行うこともあります。

日常生活では、意識してまばたきを増やす、1時間に1回程度は休憩をとる、室内の加湿を心がけるといった工夫に加え、まぶたを温めることでマイボーム腺の働きを助けるケアも有効です。ドライアイは身近な病気ですが、放置すると見え方に影響することもあります。症状が気になる場合には、自己判断で済ませず、早めに眼科で相談することをおすすめします。


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